ライ麦畑で逃げますので悪しからず

猫と寝転ぶわ。昨日のこと忘れるからさ、今だけあるよ。

あのころ見た日没の輝きは真昼よりも嬉しかった。

ときどき痛いから描かせて。たまに綺麗なガラスが怖いから雨降って。てるてる坊主、さかしまにしてゆるして。ゆるして。

 

たまに 思う 来世は匂って 齧った 無花果の花に舞うミツバチになりたいって

 

夜は、明晰な心で 眠れない 人のために恥ずかしくて 祈れないサバを読んで ブラフ使って 存在を降参するしかないのに。

 

高度経済成長したその私は 今日のわたしは、どこに いる か? わかりませんから、知らせて知らせて。

 

いきつづつくかぎり飲んで。そして翼をください 鴎になりたくて 寂しい地獄の島に 汽船を辿っていきたくて 斜陽の輝きのなかが 朝よりも明るいから。

日が沈む時いちばん明るいの、知ってる?

わたしはいつもしってる。翼を 失った 存在だから あのころ見た日没の輝きは真昼よりも嬉しかった。

 

ありがとう ときどき 来てね

また来てね

生きること 常に 生きること

あらゆるひとと死と生と愛と自分の果てしない限界に折り合いをつけて

レイモンド・カーヴァー